2013年07月27日
風立ちぬ
「風立ちぬ」
監督:宮崎駿
声の出演:庵野秀明、瀧本美織、西島秀俊、西村雅彦、スティーブン・アルパート、風間杜夫、竹下景子、國村隼、志田未来、大竹しのぶ、野村萬斎 他
配給:東宝
概要:大正から昭和にかけての日本。戦争や大震災、世界恐慌による不景気により、世間は閉塞感に覆われていた。航空機の設計者である堀越二郎はイタリア人飛行機製作者カプローニを尊敬し、いつか美しい飛行機を作り上げたいという野心を抱いていた。関東大震災のさなか汽車で出会った菜穂子とある日再会。二人は恋に落ちるが、菜穂子が結核にかかってしまう。
評価:★★★☆☆
感想:話題の宮崎駿ジブリ最新作を2Dで観ました。
4分予告の出来のよさに期待し過ぎたのかあまり感情移入できないまま終わってしまいました。
音楽については申し分なく、映像も今時のCGに比べるととてもアニメらしく美しく素晴らしい仕上がりです。
主役の声優に批判が多いが個人的には(爽やかさと若々しさに欠けるが)問題ないかと。
登場人物たちが煙草を吸うところも当時なら普通でよいかと。
カプローニ氏と共有の夢でのやり取りも個人的には問題ないかと。
個人的には会社の気難しい上司がお気に入り。
あの時代にして部下思いの人情あふれるキャラでした。
全年齢だけれども小さいお子様向けではないですね。
しかし、面白くないわけではくむしろ後半までは面白かった。ただ、唐突なラストも含めて納得がいかなかったのだと思います。
因みに作品のせいではないのだが避暑地でドイツの人との会話の途中でフィルムと音声が止まりました。特にお詫びも説明もなかったので演出ではないと思うのですが何か残念なのだ。
(以下はネタバレを含む評価を下げた理由を私的に)
低評価の理由としてジブリ作品にしてはテーマがブレた気がしました。「生きねば」とあっても二郎も菜穂子も割といいとこの生まれで正直貧困とは無縁だし。二人の再会シーンも金持ち感満載の高級リゾート避暑地だし。飛行機製作なのか恋愛なのか。あんな感動的な結核の電報からお見舞いのシーンやこれ以上ない秀逸な結婚シーンを入れておいて、書置き手紙の内容が一つも読まれず、であの夢のラストでは正直納得できない。ゼロ戦開発もあのテストで凄いスピードが出て終わりでは納得できない。どこかに武器を外したり燃料を減らしたから帰ってこれないくらいの事を盛り込まないとせっかくの芸術的設計も報われまい。荒井由実の名曲もいきなり流れてしまい何だかついでになってしまった。夢で逢えたのだからもう少し情緒が欲しかったのだ。